通関士とはどんな資格?具体的な仕事内容や通関士になるために必要なことがよくわかる!
通関士とは
通関士は、貿易取引が行われる際に必要な税関への手続きである通関業務に従事する職種です。資格としては、「国家試験である通関士試験に合格した者のうち、勤務先の通関業者の申請に基づく財務大臣の確認を受け、通関業務に従事する者」とされています。
通関業者には、通関業務を行う営業所ごとに通関士を置く義務が課されているため、通関士の需要は安定しています。
業務の内容
通関士の業務は、より具体的に見ていくと、通関書類の作成と審査、税関検査の対応、税関の処分などに不服がある場合の不服申し立て、通関業務の代行など幅広くあります。通関に関する業務全般を取り扱うと言っても良いでしょう。
中でも、通関書類の審査、通関書類への記名、押印は独占業務とされており、独占業務があることが資格の人気に繋がっていると考えられています。さらに、独占業務となっていることで、書類作成や審査の専門性が示されているでしょう。
通関士になるには
通関士になるには、通関士試験に合格した後、通関業者に勤め、勤務している通関業者の申請によって財務大臣の確認を受けることが必要です。試験の合格が最大のハードルではありますが、試験合格後に通関業者に勤め、財務大臣の確認を受けるプロセスが無ければ、通関士として通関業務に従事できないことは、この資格独自の特徴だと言えます。
試験の概要
通関士試験は、例年10月の第1日曜日に行われることが多く、受付期間は7月下旬から8月上旬となっています。
受験料は3,000円で、受験資格は設けられていないため、誰でも受験することが可能です。
形式はマークシート方式です。
試験科目は、①通関業法、②関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る)、③通関書類の作成要領その他通関手続の実務の3つがあります。
通関業者で通関業務に従事している方、官庁で関税や通関に関する事務に従事している方には、科目の一部免除が設けられており、通算15年以上で②、③の科目が免除、通算5年以上で③の科目が免除となります。
試験の方法については、
①通関業法…選択式の問題(配点35点)が10問、択一式の問題(配点10点)が10問出題されます。
②関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法…選択式の問題(配点45点)は出題数15問、択一式の問題(配点15点)が出題数15問となっています。
③通関書類の作成要領その他通関手続の実務…通関書類の作成要領は選択式・計算式の形式(配点20点)は出題数2問、その他通関手続の実務では、選択式(配点10点)が出題数5問、択一式(配点5点)は出題数5問、計算式(配点10点)が出題数5問となっています。
試験に合格するには、各試験科目全ての合格基準を満たす必要があります。合格基準は、試験年度ごとに決定されますが、例年の結果では、全科目60%以上の得点で合格となることがほとんどです。合格率はその年によって変動しますが、10%台になることが多いです。
通関士の概要のまとめ
ここまで通関士の概要から試験の概要までを紹介してきました。
一般的には知名度が低い資格ではありますが、スケールの大きな取引に関連した業務を担うことができる、責任ある仕事ができる点は魅力的です。
通関業務に興味を持った方は、通関士を目指してみてはいかがでしょうか。