医師国家試験と海外 – 外国で医師として活躍するには?

海外で医師として活躍するには?

日本で医師国家試験に合格しても日本国内でのみしか働くことはできません。当然ですよね。言語が違うため、そもそも医療問題より言語問題を解決しなくてはいけません。
日本人医師が医師免許を取得できる国としてアメリカ、イギリス、カナダなどが挙げられます。

それぞれの国によって医師免許の取得方法も異なるのです。

・アメリカ
アメリカでは大学の医学科を卒業後、USMLEという試験を受ける必要があります。USMLEはstep1からstep3まで存在しますが、勤務医として働くためにはstep2までごうかくしなければならず、開業医として働くためにはstep3まで合格しなければならないのです。さらに1~2年間のアメリカでの臨床研修も必要です。
日本の医師国家試験はこのような分類はなく、試験に合格し、研修を行えば、開業することもできます。

・イギリス
イギリスで臨床研修をするためにはPLABという試験に合格しなければいけません。これに合格しないと「limited registration」に在留登録をすることができず、医師として働くことができません。PLABという試験は同時に語学力も評価される試験となっているため難易度は高いです。またイギリス内で規定された学習を履修した後医師登録が可能となっており、日本と比較的似ているシステムのようにも感じます。
またこれ以外の方法にもODTSというような外国人医師のための研修プロジェクトもあります。

・カナダ
カナダもアメリカと同様医師免許取得には州ごとの資格審査・試験に合格する必要があります。Medical Council of Canada Evaluating Examination」という試験に合格する必要があり最低1年間の臨床研修を経て、資格取得を目指します。
 

フランスやドイツなどで働きたいと思っている方もいるかもしれませんが、残念ながらこれらの国では日本の医師免許獲得では医師として働く仕組みが整っていなく、活躍するのは少し難しいかもしれません。

日本の医師免許だけで海外で活躍する方法

日本の医師免許だけで海外で活躍できる方法としては国境なき医師団やJICA国際緊急救助医療チームなどがあります。

国境なき医師団では相手政府から許可が下りた地域で医療ボランティアを行います。

JICA国際緊急救助医療チームでは災害で被災した国において被災者の診療や疫病の感染・蔓延予防に関する活動を行います。
しかしいくら日本人の医師免許のみで活躍できるからといって何も勉強しないで行ってもあまり意味がありません。
日本とは環境が異なるため、言語の問題はもちろん予想外の事態が起こり得ます。どのようなことにも対応できる力を身につけておくことが求められるのです。

実際に働いてみると…

海外で働くということは日本で働く環境とは全く異なります。日本と違い友人もいなく家族もいないため孤独に感じることもあります。国民性の違いやシステムの違いなどさまざまな障害もあります。しかしそうした障害を乗り越えることで自分自身の視野を広げることができるのです。日本では決して体験できないようなことも経験できるでしょう。世界各国から集まった超優秀な人材と働けること、最新の医療システムを経験できるかもしれません。
そうした意味でも海外で活躍したいと思う方は早いうちから自分の人生プランを考え始めてもよいのではないでしょうか。

まとめ

今回は日本人医師が海外で働く方法を中心に紹介してきました。海外では働くことは決して簡単ではありません。しかし海外で働くことは現地において最新の医療を学ぶことや、新しい症例、臨機応変な対応力、言語力など身につくこともたくさんあります。自分自身の視野を広げるためにも海外で働くことを視野にいれてみてはいかがでしょうか。

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