「アクチュアリー」と「証券アナリスト」ダブルライセンス – 仕事内容、勉強法などの関連性を解説!

 

今回は、共に難関資格である「アクチュアリー」と「証券アナリスト」の関連性・ダブルライセンスについて、両資格の関連性を「仕事内容」と「勉強」の観点から、徹底解説します。その資格の組み合わせ次第で、自身のスキルアップや転職に大いに役立つこともあります。

 

アクチュアリーとはどのような資格なのか

アクチュアリーとは、日本語では「保険数理士」と呼ばれる職業で、高度な数学力を用いて、年金や保険などの金融商品のリスクを分析し、金融商品の開発などが主な業務です。

日系・外資問わず保険会社への就職で有利に働きます。

近年はAIの台頭により、単純な数学力を求められることは減りますが、試験が年々難化していることなどにより、高度な数学を必要とする職業は慢性的な人手不足に晒されています。

 

アクチュアリーの業務自体は、アクチュアリーの資格がなくとも可能ですが、高度な数学力が求められることに違いありませんので、アクチュアリーの資格を取ることをお勧めします。

アクチュアリーの試験は、界隈では「司法試験にも負けず劣らない」とも言われている、国内最難関資格の一つです。

アクチュアリー受験研究会代表 MAH (著), 藤田 岳彦 (監修), 岩沢 宏和 (その他)
出版社 : 東京図書 (2017/6/8)、出典:出版社HP

 

証券アナリストとはどのような資格なのか

 

証券アナリストは、企業が公開している決算書などの情報に基づいて、

高度な専門知識や分析技術を駆使し、企業の有価証券の価値や動向を予想したり、投資家への助言、保険商品の取り扱いなどの金融サービスを提供する職業のことを指します。

近年では、投資意思決定の様々な過程に参画するプロフェッショナルのことを指します。

 

セルサイド(証券会社など)、バイサイド(投資信託・保険会社・銀行)にも所属します。

その際、必要となるのは「CMA資格」です。

CMAを取得するためには、公益社団法人日本証券アナリスト協会が定める講座(CMA講座)を受講し、試験に合格した上で、3年以上の実務経験を積む必要があります。

 

CMA講座と付随するテストは、2段階に分かれています。

この2段階の講座とテストをそれぞれ突破する必要があります。

いずれのテストも合格率は5割前後と難易度はそこまで高いとは言えないので、努力が報われやすい試験といえるでしょう。

 

 

「アクチュアリー」と「証券アナリスト」の関連性

 

仕事面

 

「アクチュアリー」と「証券アナリスト」の共通点は、「保険商品などの金融商品を分析する」という点です。

 

それを、前者は予定利率や死亡・事故などの保険事故発生率、会社の事業費率など数学的な視点から、後者は企業の業績、業界の発展性、産業企業情報などから、行います。

 

両者の違いはこの点にあるわけですが、ダブルライセンスすることにより、より広い視点を持つことができるので、コンサルの質が向上することが期待できるでしょう。

 

アクチュアリーの資格を持っている者は、基本的に現場で金融商品の営業をすることは少なく、金融商品の商品開発に従事することが多いようです。

 

一方、証券アナリストは、金融商品の営業をする方も多いです。

 

ですから、ダブルライセンスをすることで、商品開発をメインにする人も、営業がメインの人も、かなり広い観点から金融商品を分析することができるようになるでしょう。

アクチュアリー受験研究会代表 MAH (著), 北村 慶一 (著), 車谷 優樹 (著), 枇杷 高志 (監修)
出版社 : 東京図書 (2020/7/8)、出典:出版社HP

 

勉強面

 

「アクチュアリー」を名乗るにも、「証券アナリスト」を名乗るにも、それぞれ試験に合格しないことには名乗れません。

 

特に、「アクチュアリー」は超が付くほどの難関資格であり、ゼロから勉強する場合、合格まで、7-8年かかるとされています。

 

以下がアクチュアリーの試験概要です。

 

試験内容 一次試験 「数学」「生保数理」「損保数理」「年金数理」「会計・経済・投資理論」各科目180分、60点以上で合格
二次試験(一次試験全科目合格した者のみ) 「生保コース」「損保コース」「年金コース」各科目180分、60点以上で合格

 

合格には、かなり高度な数学力が必要です。

 

証券アナリストの資格試験は、前述の通り、合格率が50%程度であり、アクチュアリーに比べればかなり易しい試験です。

 

両者は、扱う分野こそ同じであれど、アプローチ方法が全く異なるので、共通点や関連性を探すことは非常に難しいです。

 

共通点を挙げるとするならば、アクチュアリーの投資理論に関する分野が証券アナリストの試験に共通する個所であると言えるでしょう。

 

違いを挙げれば、キリがないですが、数学力が求められるかどうかが最も大きな違いであり、アクチュアリー受験者が最も苦しむポイントでもあります。

 

以上から、試験勉強に関しては、両者にほとんど関連性はなく、全く別の試験であると考えた方がよいでしょう。

 

しかし、「アクチュアリー」も「証券アナリスト」の試験は金融商品の分析に関する試験であることには変わりないので、片方の試験勉強で身に付けた考え方などがもう一方の試験勉強に役立つことがあるかもしれません。

 

「アクチュアリー」と「証券アナリスト」のまとめ

 

ダブルライセンスにおすすめの「アクチュアリー」「証券アナリスト」の仕事内容、勉強法などの関連性を解説してきました。

 

  • アクチュアリーは、高度な数学力を用いて、年金や保険などの金融商品のリスクを分析し、金融商品の開発する仕事。
  • 証券アナリストは、高度な専門知識や分析技術を駆使し、企業の有価証券の価値や動向を予想したり、保険商品の取り扱いなどの金融サービスを提供する仕事
  • 両者の関連性(仕事面):金融商品を分析する点
  • ダブルライセンスすることで分析手法が充実し、スキルアップが図れる。
  • 両者の関連性(勉強面):ほとんどない。
  • 全く別の試験だと考えるべき。

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