英語での名詞+名詞と連続する名詞の形容詞的用法【TOEICで学ぶ基礎英文法(3)】
名詞を修飾できる品詞には名詞が存在します。つまり、名詞が連続した状態で前の名詞が後ろの名詞を修飾することができ、これを名詞の形容詞的用法と言います。
名詞の形容詞的用法とは?
名詞には、「動作の対象となる名詞(動詞の後ろにくる名詞)」と「形容詞の修飾語となる名詞(形容詞の後ろにくる名詞)」のほかに、「名詞の形容詞的用法(名詞の後にくる名詞)」という働きがあります。「ん? なんで? 例えば、『pen desk』なんて言葉は存在しないよ」と思うかもしれませんが、例えば「a soccer ball」なんていかがでしょう?
これは「soccer」が後ろにある「ball」を修飾することで、「サッカーのボール(サッカーボール)」となります。他にも「coffee shop(コーヒーの店=カフェ)」や「gas station(ガソリンの場所=ガソリンスタンド)」なども同じ形をしています。では、このような連続する名詞をTOEIC®ではどのように出してくるのでしょうか。次の問題をご覧ください。
問題1:Tokyo Market magazine is a new trade ______ for share brokers.
(A)publish
(B)publisher
(C)publication
(D)published
まずは、主語と対応する動詞を探しましょう。この文だと主語が「Tokyo Market magazine」で動詞が「is」ですね。次に空欄になっている部分の直前を見ると「trade」があります。この文中での「trade」は「貿易」や「取引」ではなく、「業界」という意味の名詞になりますが、単語の意味を知らないという体で進めましょう。
この文は単純に「Tokyo Market magazine」は「a new trade ______ for share brokers」という意味の文です。たとえ「for share brokers」の意味が分からなくても、「あー、なんかbrokersのためなのね」くらいは分かると思います。それを踏まえると、「Tokyo Market magazine」は、「share brokers」のための何か(a new trade ______)だということになります。そうすると「a new trade ______」は名詞だと分かります。
選択肢の中で名詞は(C)publicationと(B)publisherの2つだけです。「Tokyo Market magazine」は雑誌なので「publisher(出版社)」ではなく、「publication(出版物)」の方が適切です。ですので、答えは(C)publicationということが分かります。
さて、ここで「名詞の形容詞的用法」に戻ります。ここでは、「trade」が「業界」ということが分かっていれば、「soccer ball」が「サッカーのボール=サッカーボール」であるように、「業界の出版物=業界誌」ということが分かります。では、練習として、次の問題に取り組んでみてください。
問題2:The detailed accounting ______ will be sent to us after they are revised.
(A)documented
(B)document
(C)documenting
(D)documents
まず、問題1と同じく文中の主語と動詞を探します。ここでは主語が「The detailed accounting ______」で、動詞が「will be sent」ですね。ですので、正解は「動詞以外の品詞」だということがわかります。次に空欄の直前を見てみると「accounting(会計)」という単語がきています。動詞が「be sent」ということで「何かが送られてくる」とわかり、問題で問われているのが名詞だと分かりますね。
選択肢の中で名詞は、(B)documentか複数形の(D)documentsです。「after “they” are revised」とあるので、正解は複数形の(D)documentsになります。ちなみにこの場合、名詞の形容詞的用法で、「accounting documents」で「会計の資料=会計資料」という意味になります。
今回は、名詞の後ろに名詞がくる「名詞の形容詞的用法」について説明しました。名詞が他の名詞の前に置かれ、形容詞の働きと同様に後ろにくる名詞を修飾するという名詞の特性はTOEIC®にも出題される範囲です。もし、TOEIC®で同じような問題が出題された場合は、「主語に対する動詞を探すこと」を意識しましょう。正解の品詞を見分けられるので、解答時間の短縮に繋がります。