[合格まで]言語聴覚士試験の勉強法と勉強スケジュール
言語聴覚士試験の全体像と合格率
言語聴覚士国家試験は、言語・聴覚の障害を持つ方を支援する専門家を育成するための国家資格試験です。言語聴覚士になるには、この試験に合格し厚生労働省から免許を受けることが必要です。試験は例年2月に実施され、全国の複数都市で受けられるため、多くの受験者がチャレンジしています。
試験内容は、基礎科目(解剖学や心理学など)から専門的な臨床医学、失語症や嚥下障害に関する知識まで幅広く、全範囲をしっかり学習する必要があります。また、合格率はおおむね65~75%の範囲で推移しており、他のリハビリテーション資格と比較すると難易度はやや高めです。中には50%を下回る年度もあるため、万全な準備が重要です。
言語聴覚士として活躍するには、試験勉強で得る知識に加え、実際の医療現場で役立つコミュニケーションスキルやリハビリ指導力も求められます。したがって、幅広い分野の知識と人との関わり方のスキルをバランス良く身につけることが合格とその後の活躍に繋がります。
基礎知識のインプットと理解
言語聴覚士試験の基礎知識を効率的に習得するには、解剖学や心理学、リハビリテーション医学など広範囲にわたる医学的知識が求められます。これらの分野は試験科目の大部分を占めるため、基本的な医療概念の理解から始め、段階的に専門的な内容に進むことが重要です。
まずは、医療知識全般を体系的に網羅した「言語聴覚士テキスト」などの基礎教材を活用し、各分野の基礎を固めましょう。特に「言語聴覚士国家試験必修ポイント ST基礎科目」などは、要点がわかりやすくまとめられており、図表を使った解説も豊富なため、初学者にも理解しやすくなっています。
効率的な学習法として、基礎科目の各分野に対する一問一答形式の演習問題集もおすすめです。この方法により、頻出用語や定義の理解を深め、試験で求められる「速やかな回答力」を鍛えられます。また、過去の出題傾向を分析した教材を使用することで、試験の出題パターンや難易度を把握しやすくなるでしょう。
総合的な理解を目指すには、教材で得た知識を実際の問題に応用しながら、反復学習を行うことが効果的です。
効果的な過去問対策と応用力の向上
言語聴覚士国家試験の対策では、過去問を活用して試験の傾向をつかみ、応用力を高めることが重要です。まず、過去問に取り組むことで頻出分野や苦手な分野を特定し、重点的に対策を進めることが可能です。特に、過去数年分の問題を一通り解いてから、正答率が低い分野を深掘りすることで、理解のムラをなくすことができます。
応用力の向上には、単に問題を解くだけでなく、問題の出題意図や解説をしっかり理解することが大切です。たとえば、言語や構音の基礎知識が求められる問題であれば、実際の臨床場面をイメージしながら学習すると、現場での判断力や対応力が養われ、理解が深まります。また、応用問題に対応するためには、標準的な解法のほかに、複数の解決方法を考える習慣も役立ちます。
さらに、模擬試験形式で時間制限を設けて解答することで、試験本番でのペース配分を意識した対策も効果的です。限られた時間内で回答する力を鍛えることで、試験当日に落ち着いて取り組むことができ、応用力の実践にもつながります。
言語聴覚士試験の合格勉強スケジュール
試験に向けた勉強は4~6か月前から始めるのが一般的で、過去問の繰り返し、苦手分野の特定と集中対策、試験形式への慣れが重要視されています。
・4~6ヶ月前
4~6ヶ月前から試験勉強に本格的に取り組むのが一般的です。過去問を一度何も勉強していない状態で解き、出題傾向を把握することで、自身の理解度と苦手な分野を把握します。過去問演習は知識の定着と傾向分析に有効で、5年より先も少し確認程度に過去問を何度も解き、正解の理由まで、ここでは簡単に理解してみましょう。
・3〜4ヶ月前
学習内容を「言語系」「聴覚系」「発声発語・嚥下系」「その他」に分けて勉強。人によって教科書やノートは必要に応じて付箋やメモで補完し、自分だけの参考書として仕上げると良いです。過去問で確認し、不足分を追記することで、内容を充実させます。
・1〜2ヶ月
過去問や模試を通じて苦手分野を明確にし、対策ノートと照らし合わせながら復習を重ねます。この時期には臨床実習も並行することが多く、実践的な知識を活用して理解を深める機会にしましょう。
・直前
最後の仕上げとして、過去5年分の過去問に挑みます。特に間違えた問題は解答の根拠を確認し、苦手を克服します。試験形式や時間配分に慣れるためにも、模試や時間を測った過去問練習を行い、実践力を強化します。