社労士試験の免除制度とは?社労士の試験概要や免除の要件についてよくわかる!

社会保険労務士試験について

社労士とは、社会保険労務士の略称で、社会保険労務士法に基づいた国家資格です。
企業経営に必要な「人・モノ・お金」のうち「人」に関するエキスパートで、労働や社会保険に関する法律と人事労務管理を専門とします。

社会保険労務士試験は毎年8月に行われる国家試験です。

試験分野は
①労働基準法及び労働安全衛生法
②労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
③雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
④労務管理その他の労働に関する一般常識
⑤社会保険に関する一般常識
⑥健康保険法
⑦厚生年金保険法
⑧国民年金法
の計8科目です。

社労士試験にはを選択式と択一式の試験があります。
それぞれに合格基準点があるので、各試験ともに、合計点がを満たしていても、1科目でも、満たしていない場合は、不合格となってしまいます。

そして、毎年、どこかの分野で奇問が出題されます。その場合、積み重ねた学習知識だけでは解答できません。文章の読解力や選択肢の構成を掴み選択するなどのテクニックも必要となります。知識だけでなく、自身の能力を駆使し、それを乗り切った人が、合格に辿り着けます。
この奇問の出題が、社労士試験には、運が必要といわれるゆえんです。

果たして、この運に身を任せるしかないのでしょうか?

免除制度とは??

社労士試験制度には、免除制度があるのをご存知でしょうか?
要件に当てはまる方は、こちらの制度を活用し、勉強範囲を狭め、臨むのも良いでしょう。
場合によっては、例年出題される奇問を回避することもできます。

社労士試験の免除の要件に該当する人は主に以下のような人です。

受験申込み時に、申請し、決定された科目について試験が免除されます。

A.国又は地方公共団体の公務員として労働社会保険法令に関する施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる方
B.厚生労働大臣が指定する団体の役員若しくは従業者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方又は社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の補助者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方で、全国社会保険労務士会連合会が行う免除指定講習を修了した方
C.日本年金機構の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(日本年金機構の設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
D.全国健康保険協会の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(全国健康保険協会設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
*社労士試験オフィシャルサイトより

また、これとは別に試験科目ごとにも、免除者の要件が定められています。

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出典:出版社HP

全国社会保険労務士会連合会が行う免除指定講習とは何?

「免除指定講習」とは、15年以上の一定の実務経験者が対象となる免除制度です。指定講習を受講し(修了試験あり)、希望する科目の試験を免除できる制度です。さきほどの区分でいうとBに該当します。

通信指導(6ヶ月)と面接指導(18時間)があります。講習は無料ではなく、受講料がかかります。(1教科45,000円:2021年度)

申込期間は8月頃から開始します。実務経験を記載し、所属長(事業主)に証明印をもらいます。通算する場合は、それぞれ証明印が必要となります。1科目45,000円と決してお安くはないですが、1つでも学習科目を減らし、他の科目の精度をあげるのもおすすめです。

免除となる科目によっては、奇問出題による合格基準点割れを避けることも出来るかもしれません。

しかし、通信指導と試験勉強を両立させていかなくてはならず、面接指導・修了試験は3月に行われるという、マイナスの部分もあります。3月は、一通り、学習範囲が終わらせられるかの大事な時期になりますので、複数の免除を申請すると、それなりの時間は取られてしまい、他の勉強がおろそかになってしまう、恐れがあります。

免除・免除指定講習については、詳しくは、全国社会保険労務士連合会の試験オフィシャルサイトに詳細が掲載されています。

科目免除者の加点方法はどうなる?

科目免除者の試験時間は、当然、受験科目数により按分されます。
点数はどのような取り扱いになるのでしょうか?
免除となった科目は満点が加点されるわけではありません。択一・選択試験、それぞれ、総合の合格点を満点で除し、合格点の割合を出します。

そして、科目ごとの満点を乗じ、科目ごとの合格点を出します。その点数を微調整し、科目免除者のその科目の点数とします。
業務に精通して知識も豊富な人であれば、通常通り試験を受けると、満点を取れる可能性もあります。この付与された点数により、総合点に満たないケースも考えられますので、自分の強みとして総合点を押し上げて、合格の可能性が高まる場合は、科目免除をするべきかを、よく考えることをお勧めします。

社労士の免除制度のまとめ

社労士試験には、一定の要件を満たす人に科目免除制度があります。要件によっては、免除講習が必要な場合もあります。
例年、全体の受験者合格率より、科目免除対象者・公務員特例科目免除者の方が、例年、合格率は数パーセント高くなっています。

免除該当者は10年以上の長い間、実務に従事し、関連法令にも精通しているので、合格率が高くなるのには、必然性はありますが、科目数を減らすことにより、一般受験者より有利になっている面もあります。

しかし、科目免除分の点数は満点が加点されるわけではないので、一般受験をした方が、高得点を狙える人は、科目免除をしない方が良い場合もあります。

免除に該当する方は、社労士連合会のオフィシャルサイトを確認してみてください。試験範囲は膨大にあるので、1科目でも学習科目を減らして、学習に臨むことができると、合格への近道になるのは間違いないでしょう。

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出典:出版社HP

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