男性保育士のメリットはどのようなものがある?これからの方向性とは?



「保育士」は、かつて女性メインの仕事だったため、通称「保母さん」と呼ばれていましたが、1999年に、男女雇用機会均等法で改正されてから、「保母」は「保育士」として呼ばれるようになりました。そんななか、男性保育士も徐々に増えていますが、まだまだ女性社会と言えるのが現状です。

保育士資格を持ち、保育所でも働いていた筆者とともに、保育士を目指している方や男性保育士の必要性・メリットやデメリット、これからの方向性を考えてみましょう。

保育士とは?

「保育士」とは、0〜6歳児までの保育を必要とする幼児を保護者に代わって、基本的生活習慣やコミュニケーション能力、身の回りお世話などをする仕事です。また保護者への連絡や、カリキュラムや行事を考えたりするのも含まれます。

保育士の資格は一度取得すると更新などがないので国家資格として一生持ち続けられる資格です。
働く場所も保育所だけではなく、認定子ども園、企業内保育所、児童養護施設、知的障害児施設、乳児院、母子生活支援施設、学童保育・児童館、ベビーシッター、放課後デイサービスなどさまざまなところで働くことができます。

また、幼児教室、子ども支援センター、体操教室など少しでも子どもと関わる仕事をしたい場合にもう役立つ資格と言えるでしょう。

気になる男女比は?

2020年厚生労働省の行った「保育士登録者数(男女別)調査では
女性1,583,219人
男性 82,330人
まだ全体の5%しかいません。それでも徐々にですが男性保育士は増える傾向にあります。

このパーセンテージからわかるように保育所はいわゆる「大奥」のような場所であると言えます。女性が大多数をしめ、男性は園長くらいで、あとは業者の人が時々出入りしたりします。
「大奥」ではそれでもよかったですが、子どもが育つ環境としてはどうでしょうか。

ひとり親家庭では、子どもにとって身近に安心できる「男性」の存在が必要です。
子どもの中には、男性ならではの特性を好む子もいます。
おんぶひとつでも女性保育士とは違う感触や子どもの見える景色も全く違うものでしょう。そういった意味でも男性保育士は必要な存在なのです。

男性保育士のメリットは?

・ダイナミックな遊び方

元気に遊び回る子どもにとって男性保育士はとても魅力的です。基本的に男性は女性よりも体力や筋肉の量が多いのでよりパワフルに遊んだり、長時間の遊びも子どもと対等に遊ぶことができます。
さらに子どもは競うことが大好きです。
子どもも男の人は力が強いことを知っているので相撲や腕相撲、鬼ごっこなどの遊びで、いつか男性保育士に勝ちたい!という気持ちにさせることができるのです。

・女性保育士とは違う見方ができる=違う保育ができる

女性保育士だけの保育所だと物事の見方が偏りがちになります。きめ細やかな保育は確かに女性のほうが有利に感じますが、時には男性目線の意見や行動も必要なスパイスになります。

細やかな保育は女性の方が得意な傾向にあります。しかし時には子どもへの注意の仕方も女性の方が長く細かくなることもあります。子どもの中には話が長いと最初の方に言われたことを忘れてしまう子どももいるので、端的に用件を短く要領よく注意するのは男性の方が得意のように感じます。

女性保育士とバランスよく子どもを見られるのが保育所自体のメリットになります。

・同性だから話しかけやすい

保育所に来ている父親からはやはり同性の男性保育士の方が親しみやすい傾向があります。同性として、子どもの関わりで奥さんに言われたことの相談や悩みごとなど気さくに話しかけられる存在です。父親が子育てのことで相談できる相手がいることは、子育てをする上で重要になってきます。

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出典:出版社HP

・給料問題

専門職の中でも保育士のお給料は少ないと言われていますが徐々に改善はされてきていると言えます。

令和元年度賃金構造基本統計調査では、
平均3,634,600円
女性3,621,300円
男性3,891,600円
と男性の方が女性より少し多めになっています。

これは女性が出産・産休をとることや、役職につく男性保育士もいることから差が生じているようです。それでも同年代の男性給料よりも安いと感じて焦る人もいるでしょう。
待機児童問題がずっと続いている時代に保育士不足はとても深刻な問題です。この資格があれば仕事を得られないことはほとんどないでしょう。潜在保育士が多いなかで、結婚しても仕事を続けたいと思う男性保育士は貴重な存在となっています。
保育士を続けて、園長や主任などの管理職につくなどキャリアアップすることでお給料面はもっと増えていきます。

「保育士資格」を持っている男性園長は貴重な存在ですので是非おすすめです。

男性保育士についてのまとめ

お父さんのように優しく力強い保育士はどこでも必要な存在です。今はまだ男性保育士は少ない傾向にありますが、保育士はまだまだ開拓できる分野だと思います。

昔からある保育所は保育内容を大きく変えにくく、閉鎖的なところもあります。しかし、比較的新しい保育所は新しい信念のもと、改革されてから設立されているので、今いるところで辛い思いをしている方は、新しめの保育所に移るのも手です。

自分がどのような保育士になりたいかよく考えて、誇りをもち、自分自身も偏見のない保育士になってくださいね。

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