造園施工管理技士の試験について徹底解説!受験資格や難易度まで概要がよくわかる!

造園施工管理技士とは

造園施工管理技士とは、造園に関する資格の一つです。

造園施工管理技士は、施工計画の作成や工程管理、品質や安全管理といった事務作業から、
現場で作業をしている職人たちのマネジメントや施工の進歩確認といった作業も行う、
造園工事の施工の一連の流れを管理監督する技術者です。

特に、1級造園施工管理技士の資格を取得すると、
大規模な施工工事に携わることが可能になるため、仕事の幅を大きく広げ、
自身のキャリアアップにもつながるでしょう。
加えて、1級・2級造園施工管理技士の資格を持っていると、社会保険労務士試験の
受験資格を満たすことになります。

造園施工管理技士は、国土交通省が管轄をしている国家資格の一つで、
全国建設研修センターが実施する「造園施工管理技術検定」に合格すると取得することができます。

ただし、受験資格がかなり限られており、実務経験や最終学歴によって、
受験資格が異なります。そのため、造園施工管理技士の資格取得を目指す際には、自分が受験資格を満たしているのかに注意をする必要があります。

また、この試験は第1次検定・第2次検定と2段階に分かれているのですが、
受験資格によっては、第1次検定に合格しても、第2次検定を受験するのに
一定の期間を要する場合があります。
ですが、1級造園施工管理技士の第2次検定はかなり複雑な受験資格となっているので、
今回は、1級造園施工管理技士は第1次検定、
2級造園施工管理技士は第1次検定・第2次検定の受験資格に焦点を当てていきたいと思います。

受験資格

・1級造園施工管理技士

先ほども述べた通り、最終学歴と実務経験年数が受験資格に関わってくることになります。
また、指定学科を卒業しているかどうかでも、実務経験年数に幅があります。
指定学科とは、造園工事の施工に必要な土木工学や園芸学、建築学などに関する学科を指します。

大学や専門学校(高度専門士)の場合、
指定学科の卒業者であれば、必要な実務経験年数は3年以上
指定学科以外の卒業者であれば、必要な実務経験年数は4年6ヶ月以上となります。

短期大学や高等専門学校、専門学校(専門士)の場合、
指定学科の卒業者であれば、必要な実務経験年数は5年以上
指定学科以外の卒業者であれば、必要な実務経験年数は7年6ヶ月以上です。

さらに、高校や中学校の卒業者の場合、実務経験が8年以上必要になります。
この実務経験年数には、指導監督的実務経験が1年以上、
かつ、5年以上の実務経験の後、専任の監理技術者による指導を受けた経験が2年以上となっております。

また、2級造園施工管理技士の有資格者も受験資格を満たすことができます。

職業能力開発促進法による2級造園技能検定合格者であれば、
10年以上の実務経験年数があれば、1級にチャレンジすることができます。

この他にも、受験資格を満たす条件はありますが、大体はこのようになっております。

・2級造園施工管理技士

第1次検定
2級の場合には、1級のように最終学歴と実務経験による制限はありません。
年齢が17歳以上の方であれば、受験することが可能になります。

第2次検定
第1次検定に合格すると、第2次検定に進むことができますが、
ここで、1級造園施工管理技士のように最終学歴と実務経験件数が受験条件に加わります。

大学や専門学校(高度専門士)の場合
指定学科の卒業者は、実務経験が1年以上
指定学科以外の卒業者は、実務経験が1年6ヶ月以上必要になります。

短期大学や高等専門学校、専門学校(専門士)の場合、
指定学科の卒業者は、実務経験が2年以上
指定学科以外の卒業者は、実務経験が3年以上必要になります。

高校や中学を卒業した場合には、
指定学科の卒業者は、実務経験が3年以上
指定学科以外の卒業者は、実務経験が4年6ヶ月以上となります。

試験内容

1・2級造園施工管理技士は基本的には共通しており、
第1次検定が択一式、第2次検定が記述式となっております。

第1次検定の択一式では、土木工学等・施工管理法・法規についてが問われます。

土木工学等とは、土木工学や園芸学、機械工学および建築学など、造園工事の施工に必要とされる知識や設計図書を正確に読み取るための知識が問われます。

施工管理法とは、造園工事の施工計画の作成や工程管理、品質・安全管理等の
工事がきちんと行われるように管理する知識が問われます。

法規とは、造園工事を施工する際に、必要な法令に関する知識の問題となっています。

1級と2級の違いは、試験時間です。
1級の場合は4時間30分、2級の場合は2時間30分となります。

第2次検定の記述式では、施工管理法についての試験となります。
記述式の施工管理法は、工事を行う目的物に必要な外観であったり、強度であったりを得るために必要な措置を適切にとることができる高度の応用能力が問われます。
また、設計図書に基づいた施工計画を適切に作成できること、工事現場において施工計画を実施することができる高度の応用能力が求められます。

記述式の場合も、1級は2時間45分、2級は2時間と試験時間が異なります。

また、条件を満たしていれば、第1次検定の免除が認められる場合があります。
1級の場合、
第1次検定合格者は、翌年の第1次検定が免除できます。

2級の場合、
第1次検定の合格者は、翌年の第1次検定を免除することができます。
また、大学や専門学校等で在学中に施工技術検定規則に定められている学科を修めているなどの条件を満たしていれば、第1次検定の免除が受けられます。

この他にも、1・2級の第1次検定が免除される場合があるので、
気になる方は、ご自身で確認してみてください。

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出典:出版社HP

難易度

1・2級造園施工管理技士の合格基準は、全国建設研修センターで公表されています。
令和3年度の合格基準をみると、

<h3.1級の場合

第1次検定(全体) 60%
(施工管理法) 50%
第2次検定 60%

2級の場合

第1次検定 60%
第2次検定 60%

となっております。

最近の試験傾向としては、試験問題の難易度が上がっている状況のようで、
1級の合格率はおよそ30%、2級の合格率はおよそ40%となっています。

専門職の資格試験となるため、合格するには、それなりの対策が必要となることでしょう。

造園施工管理技士の試験のまとめ

今回は、造園施工管理技士の試験について、まとめてきました。

造園施工管理技士の試験を受ける際に、大学や専門学校を卒業していなくても、
受験することはできますが、必要な実務経験年数に大きな幅があるということがわかって頂けたでしょうか。
受験資格がかなり複雑なので、所々、省いてしまってはいますが、
最終学歴によって、必要となる実務経験年数に違いがある、という理解をしていれば大丈夫だと思われます。

皆さんが造園施工管理技士の資格取得を目指す場合には、
自分はどの受験資格を満たす必要があるのか、きちんと確認してください。

造園業は人手不足に悩まされていますが、温暖化や環境保全に対する意識が高まるにつれ、
その需要も高まっていますし、今後も需要が増えていくと思われます。
造園業界でのキャリアアップや転職を考えている人は、
1・2級造園施工管理技士の資格取得にチャレンジしてみてください。

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出典:出版社HP

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