「土地家屋調査士」って一体どんな資格? – 試験概要から業務内容(独占業務)まで徹底解説!

土地家屋調査士について

土地家屋調査士の仕事内容は、主要なもので5つあります。

・不動産登記に必要な土地・家屋の調査及び測量
・登記の申請手続きの代理
・登記に関する審査請求の手続きの代理
・筆界特定の手続きの代理
・土地の筆界が不明であることが原因の民間紛争解決手続きの代理

附則事項として、この5つの事務に関する相談に応じることも業務に含まれており、民間紛争解決手続きの代理については、認定を受けた土地家屋調査士のみが、弁護士との共同受任によって行います。

筆界特定の業務では、依頼された土地の隣の土地の所有者とも話し合う必要性があります。民間紛争解決手続きの代理業務では、相手方が話し合いに応じないこともあり、そうした場合には、解決までに多くの労力や時間がかかります。

測量や調査の業務は、肉体労働的な要素があるため一定程度の体力が求められます。CADといったソフトを使用した図面の作成などがあり、独立開業をする際には、そうしたソフトの導入が必須となります。

 

土地家屋調査士になるには

土地家屋調査士になるには、まずは土地家屋調査士試験に合格し、合格後に土地家屋調査士名簿に登録する必要があります。登録手数料は25,000円です。



土地家屋調査士として働く場合、土地家屋調査士事務所で補助業務の経験を積んでから独立する方が多いようです。その他には、測量会社や建築会社への就職も考えられます。
ただ、基本的には独立を目指すための資格として認識されています。

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出典:出版社HP



土地家屋調査士試験の概要

土地家屋調査士試験は、大きく分けると筆記試験と口述試験の2種類の試験があります。
口述試験は、筆記試験の合格者が対象で、まずは筆記試験に合格する必要があります。
筆記試験は、例年10月の第3日曜日に実施され、午前の部、午後の部の二部構成となっています。測量士、測量士補、一級・二級建築士の資格を保有している場合には、午前の部が免除されます。

試験の試験科目は、

筆記試験
午前の部 平面測量10問と作図1問
午後の部 不動産登記法、民法他から20問の択一問題と土地・建物から書式問題が各1問

口述試験
1人15分程度の面接方式

となっています。



合格するには、午前の部・午後の部それぞれで合計点の合格基準点以上の得点を獲得することと各科目の基準点を下回らないことが求められます。基準点と合格基準点は、年によって変動します。合格率は例年9%前後となっており、近年は9%台後半となることが多いです。

受験資格はありません。誰でも受験できます。

 

土地家屋調査士には独占業務があるのか

土地家屋調査士には独占業務とされる業務があります。それは、不動産の表題登記の手続きの代理です。表題登記は、登記の表題部に、土地や建物の所在、所有者などを記載することを指します。表題部以外の部分は、司法書士が手続きの代理を担います。

土地家屋調査士として働くには

土地家屋調査士として働くには、資格試験に合格後、名簿に登録される必要があります。
ただ、測量や調査、営業業務といった実務経験が重視される仕事が多いため、資格取得前に土地家屋調査士の補助として働くケースが多くあります。若いうちに資格を取得したとしても、まずは土地家屋調査士事務所で、ベテランの土地家屋調査士のサポートを行うことが多いです。

そして、実務経験を重ねた後、独立開業を行うこととなります。独立した直後は収入が低い状況が続きやすく、顧客の開拓ができなければ業界を去ってしまう方もいるようです。

事業が軌道に乗れば、土地家屋調査士として、民間と行政から仕事の依頼を受けて、安定的な収入を得ることが可能となるでしょう。

 

土地家屋調査士についてのまとめ

ここまで土地家屋調査士という資格について紹介してきました。土地や家屋の測量・調査や登記の手続きの代理といった、土地や住宅を所有する方には、比較的身近な専門的な資格と言えるでしょう。

難易度は少し高いですが、将来的な独立開業を目指せる資格です。専門家として独立開業をしたい方や土地・家屋の測量・調査と登記に関する業務に興味があれば、受験してみてはいかがでしょうか。

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出典:出版社HP

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